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ママコモハウスオーナー・NPO法人ママコモガーデン代表インタビュー

3年目に突入したママコモハウス。いったいどのような人物が、どのような目的で作ったのか。今日はそんな2児の母親でもあるママコモハウスのオーナーである栗原まこさんにお話を伺いました。


― 毎日の日課としてやっている事って何かありますか?


日課ではないのですが、先日友人に言われて気が付いたのですが、私は起きた瞬間からハイテンションなんです。そして、それが1日中続くんです。更に嫌な事があっても寝たら忘れます(笑)。自分では無意識にしていた事ですし、これが普通だと思っていたんですけど、確かに娘を見ていると朝「まどろむ時間」があるので、全員が全員こういうわけではないんですね(笑)。

― 朝からテンションが高いと、いい1日のスタートが切れて前向きになれそうですね。他に人から言われて気付いた事ってありますか?


大人になって、学生時代の友人から私は授業中やそれ以外の時でもよく「いい事考えた!」と言いながらすぐに行動に移していたよねって言われたんです。考えてみると、確かに昔から頭の中で色々な事を考えて「ひらめき」を楽しんでいました。与えられた条件や環境の中でいかに楽しめるか、いかにいい方向に進んでいけるかを常に考えていましたね。


― では、このママコモハウスを運営するNPO法人ママコモガーデンも「いい事考えた!」でひらめいたんですか?


その通りです!30歳の時に授かり婚をしました。長女の出産を機に専業主婦になったんですが…。かわいいわが子との時間に幸せを感じる反面、社会や友人から距離ができ孤独感に包まれていたんです。


子育て広場や児童館に行っても、無理にいいママを演じているような自分がいて、すごく窮屈な気持ちになってしまいました。自分らしくいられる場所、ありのままでいられる場所に巡り合えず、悶々とした日々を送っていましたね。今、思えば「いいお母さん」になろうと気負い過ぎていたのかもしれませんね。同じような想いしているママがいるんじゃないかなぁ…と漠然と考えながら過ごしていました。


そんなある日、2歳になった娘と共に出かけた先で尊敬する方から、こんな言葉をいただきました。

「今いる場所で

今ある立場で

まわりの一人一人に

真心を尽くしきりましょう」

と。


その言葉が私の悶々とした気持ちに光をさしてくれました。


「無理をせず、ありのままの自分で出来る事があるはず」と思い、早速行動に移しました。その日から、

どうやったら自分らしく楽しく子育てができるか?

どうやったらママ友と青春できるか?

どうやったら子供もママも笑顔で過ごせるのか?

と考え、その為に何が必要かを大きなカレンダー2枚分に書き出しました。その構想を書き綴った紙を持って友人に話したり、区役所に相談に行ったり。勢いで走り始めたこれこそがママコモガーデンというグループの始まりですね(笑)


― お子様がまだ幼いのに、それを物ともしないフットワークの軽さですね。


それからは流れるようにカタチになっていきました!まずは、カフェでの英語教室!たくさんの友人に協力してもらい、カフェに空き時間空きスペースを貸してもらえるよう交渉に行ったり、講師を探したり、チラシを作ったり、レッスン内容を考えたり…。完全にゼロから作り上げていきました。ママになってから、こんなにイキイキとまわりの人と関われたのは初めてでワクワクが止まりませんでした♪いろんな壁はありましたが、友人とあーだこーだとひとつひとつ乗り越えて「青春してるー!」という感じ(笑)


英語教室についてはただ子供達に習い事の提供をしたかったわけではなく、かつての私のような孤立したママを減らしたいという想いが強かったんです。ですので、子供のレッスン中にママが子供と離れてゆっくりカフェで過ごしたり、人と話したりする環境をあえて作りました。ドリンク代込みで続けやすいプチプラでレッスンチケットをご提供しました。


英語教室が軌道に乗った後は、同じコンセプトでダンス教室も開講しました。ここでは会場の関係上、ドリンクのご提供はできませんでしたが、リーズナブルかつ、ママ同士が交流しやすい場所になれたのではないかと思います。それと、英語とダンス教室と並行して、練馬区の地域振興課も相談に行った際に紹介して頂いた武蔵大学のコミュニティビジネス講座に娘をおんぶしながら通ったんです。他に子連れの受講者はいなかったので目立っていたと思いますが(笑)私は無我夢中で勉強し、口座の最後はコミュニティビジネスコンペで優勝することができました。


― 優勝とはすごい!他にはどのような活動をしたんですか?


グループを立ち上げて色々なママと交流をする中で、スキルを持っているのに子育てに追われてそのスキルを活かすチャンスがないママが多いことを痛感したので、そのスキルを活かす場所作りにも取り組みました。具体的には『みんなのまつり』という、ママ達のスキルを活かしたハンドメイド作品販売、各種ワークショップ、キッズ向けコンテンツ、ママや子供向けミニレッスンなどを楽しめるイベントを集会所などを借りて開催していました。


そんなボランティア活動を6年くらい続けて、しっかりした組織としての役割が必要だと感じ2018年にNPO法人ママコモガーデンとして認証を受けました。


― では、そういうイベントを通して拠点が必要だと思い、ママコモハウスを作ったんですか?


NPO 法人の立ち上げもボランティア活動もママコモハウスも最終のカレンダーに描き起こした構想で既に最初から思い描いていた事なんです。江古田周辺には子連れで気兼ねなく入れるお店が少なく、子連れの人が子連れではない人と一緒に入ってゆっくり 過ごせる場所もありませんでした。区民広場や児童館もとても有難いのですが、利用条件があったり利用時間が決められていたり、 内装が殺風景だったりと、私にとってはくつろげる空間とは言い切れませんでした。そこで、子連れの方もそうでない方も一緒にランチ をしにいらしたり、お子様連れの方のみならず地域の方が利用しやすく、第二の我が家のように寛げる空間を作りたいと思い、2018年12月にママコモHOUSEを作りました。


― 思い通りの空間になりましたか?

内装は、この場所の存在意義としても思い描いていた以上の空間になりました。娘の幼稚園で知り合ったインテリアコーディネーターの友人が力を貸してく れて、キッズカフェでもない、かといって大人向けのしっとりとしたカフェでもない絶妙な内装を創り上げてくれました。 2018年10月に その友人と内見してすぐに契約、そして助成金の申請などの手続きをしつつ、急ピッチの中でどうしたら理想の空間ができるかと考えに考え…約1ヶ月間寝る間も削って二人で進めて行きました。意見が合わなかったりして、ケンカまがいなこともあったけど、これまた、心に残る青春の1ページです(笑)


カルチャールームの壁やカフェスペー スの壁の一部と真ん中にある木の柱は一級左官職人である別の友人が、コンセプトに賛同して手掛けてくれて、クロスにはない優しい質感に仕 上げてくれました。

そんな日から2年が経ち、今では、ママやお子様はもちろん、子連れの方とそうではない方の混合グループや、地域のお年寄りのグループ、テレワークをするビジネスパーソン、お一人様、レッスンやワークショップの開催など、幅広い層の方に色々な用途でご利用頂ける場所になれました。親子4世代でご利用下さっている方や、お年寄りのグループで定期的に交流会を開いてらっしゃる方もいて、嬉しい限りです。


また、最初に立ち上げた英語教室は先生の出産により3年目でクローズしましたが、今はママコモガーデンが後押しをして友人が立ち上げた英会話教室をここで開催していて、ここでレッスンが終わるのを保護者の方達は交流したり、寛いだりしながらお待ち下さっています。当時のダンス教室も今はママコモハウスでレッスンをしていて、地域のお祭りや近隣の施設で発表をするなど、地域に根差した活動をしています。


― 専業主婦になる前も飲食店関係のお仕事をされていたんですか?それと、ママコモハウスを始める時にご家族は何とおっしゃっていましたか?


前職は幼稚園の体育の先生と、学童保育指導員をしていました。ですので、ママコモハウスの経営は手探りでここまでやってきたと いう感じです。ちなみに、家族は私の活動の必要性に共感してくれ、ママコモハウスの運営も陰ながらバックアップしてくれています。

夫は私を全面的に信頼してくれていて、活動に一切干渉しませんし、育児や家事に協力的でとても感謝しています。子供達に対しては、忙しい日々で申し訳ないな…という気持ちもありますが、この背中を見せ続け、夢を叶える力のある子供に育ってほしいと願っています。


― それにしてもカレンダーの構想で思い描いていた未来を着実に具現化出来ているとは驚きです。


実は昨年から、他にもその時に抱いていた夢がまた1つ「EKOTTO プロジェクト」という名前で実現に向けて動き始めたんです。その夢というのが、子育てのしやすい街づくりと江古田を住みやすい街にするためのポータルサイト作りを地域や行政の方と一緒に作り上げるイベントでした。


これは、私が書いた企画書を行政の方が目に留めて下さり、練馬区との協働でスタートした地域おこしプロジェクトです。早速「もくもく勉強会」という小中学生を対象とした学習支援事業がスタートしています。また、その他の企画も準備を進めており、江古田の商店街や町会にも協力していただきながらどんどんカタチになっていきますのでお楽しみに♪

― それとその企画力があればこれからも更に色々な「ひらめき」が生まれそうですが、5年後はどうなっていると思いますか?


今の私は園児・小学生ママの現役として活動をしていて、活動内容もその世代のママ、子どもに向けた内容になっていますが、5 年後は中学生ママや中学生を主軸とした活動をしているような気がします。また、私の体験をモデルケースとして、全国にいる同じような想いを持っているママさんの夢をカタチにするお手伝いができる体制を整えられたらなと思っています。


― 最後に、ママコモハウスを作ってよかったと思える瞬間を教えて下さい。


ここでスクールやワークショップを開催しているママたちが、やりたいことをカタチにして笑顔で行っている姿を見ていると、こういう場を提供する事で仲間のやりた い事を実現する手助けができて良かったと思いますね。

また、第二の我が家でありたいと思っているので、ランチにいらしたお客様に 「すっかり寛いでしまいました」とか「ここに来るとホッとします」などと言っていただけた瞬間も嬉しいです。

インタビューの様子

好きな言葉の「まごころ」が意識せずとも溢れ出るような人間になりたいと思うのと同時に、ママコモハウス自体も皆さまがありのままでいられる「まごころ」の詰まった場所でありたいと思っています。


※ママコモハウスは現在、消毒、体温確認、換気、マスク着用、パーテーション設置などの新型コロナウイルスに対する感染対策をしっかりと行い営業しておりますので、安心してお越し下さい。



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